〈銘柄分析〉ユニオン・パシフィック(UNP)~高い参入障壁を築いた米国西地域最大の鉄道会社

こんにちは、こばいんです。

これまで資本財セクターの銘柄分析で3M(スリーエム)エマソン・エレクトリックを取り上げました。

さらに今回は資本財セクターからユニオン・パシフィック鉄道(UNP)をピックアップしたいと思います。

鉄道貨物輸送というビジネスは参入障壁が高いこともあり、それのもたらす高い営業利益率は魅力的です。一方、昨今の株価上昇で配当利回りが低くなっているので、それの捉え方で評価が分かれる、といったところでしょうか。

ユニオン・パシフィック鉄道 101

ユニオン・パシフィック鉄道(UNP)は、アメリカ合衆国最大規模の鉄道会社です。本社はネブラスカ州オマハにありますが、オマハと言えばウォーレン・バフェット氏の地元ですね。「オマハの賢人」と呼ばれてるくらいですし。

さて、ユニオン・パシフィック鉄道の起源は1862年まで遡ります。南北戦争中の連邦維持を目的として、ミズーリ川から太平洋までを鉄道でつなぐ構想がが当時の大統領であるエイブラハム・リンカーンによって承認されました。

そこから紆余曲折を経て現在までにユニオン・パシフィック鉄道が展開している線路網はアメリカ合衆国の西部から中部の多くをカバーし、シカゴ西部やニューオーリンズにまで達しています。

さらに、カナダ、メキシコと接続しており、メキシコ最大の鉄道会社フェロメックスの株式を所有する関係で、売り上げの1割はメキシコ国内です。

(出典:ユニオン・パシフィック鉄道 IR)

輸送商品の主な内容としては農産物、自動車、化学製品、石炭や原油、工業製品などが挙げられます。

(出典:ユニオン・パシフィック鉄道 IR)

日本人からすると鉄道会社と言うと旅客輸送を思い浮かべがちですが、ユニオン・パシフィック鉄道の収入源は貨物輸送です。これは、日本と比べると国土が広大で長大なアメリカの内部輸送に関して、鉄道輸送のほうがトラックなどの高速道路による輸送よりも優れているからと考えられます。

旅客輸送に関して考えると、日本の首都圏ほど鉄道ネットワークがアメリカは整っていないので、近距離は自動車、中・長距離は飛行機という選択肢が多く取られるのでしょう。

改めてわかる、広大かつ長大なアメリカ

ユニオン・パシフィック鉄道の営業範囲は32,122マイル(51,695km)におよび、そのうち26,042マイル(41,911km)は自社所有です。

なんとなーく大きい数字だなとわかりますが、ピンと来ないですよね。

参考までに日本の鉄道営業キロのデータをご紹介します。

JRだけのデータで恐縮ですが、JR貨物以外は旅客営業キロを、JR貨物は貨物営業キロを表示しています(2018年4月1日時点)。

会社名 営業キロ
JR北海道 2552.0
JR東日本 7457.3
JR東海 1982.0
JR西日本 4897.6
JR四国 855.2
JR九州 2273.0
JR貨物 7962.4

これらすべて足しても3万km未満でユニオン・パシフィック鉄道の営業範囲に及びません。

しかも、ユニオン・パシフィック鉄道はアメリカ全土をカバーしているわけではないので、改めてアメリカという国土が広大かつ長大であることを思い知らされます。

株式基本データ

ティッカー:UNP

本社:ネブラスカ州オマハ

セクター:資本財

設立:1862年

上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場

バリュエーション

(以下は2018/6/22時点)

PER:10.42 ⇒ 24.86(調整後)

PBR:4.52

配当利回り:1.91%

(以下は2017/12時点)

ROA:18.87%

ROE:47.83%

EPS:13.36ドル ⇒ 5.79ドル(調整後)

売り上げと利益

(Source:Morning Star)

2009年から2014年までの5年ほどの間は右肩上がりで売り上げが上昇しています。これは、米国内におけるシェールオイル開発の流れを受けて鉄道輸送が拡大していったことが好影響となってのことでしょう。

なにより、やはり注目すべきはその営業利益率の高さです。ここ5年は30%を越えており、その勢いは40%に迫る勢いです。

同じ鉄道会社では、JR東海の営業利益率が30%ほど、JR東日本のそれが20%ほどと比較的高いものの、ユニオン・パシフィック鉄道にはかないません。

EPSとBPS

(Source:Morning Star)

EPSとBPSはじりじりと上がっていることがわかります。

なお、2017年にEPSが跳ね上がっていますが、これは税制改革の影響によるものということで、調整後の値は5.79ドルとなっています。

配当と配当性向

(Source:Morning Star)

着実に配当を積み上がっています。なお、配当性向は少しずつ上がっており40%を超えてはおりますが、まだまだ余裕があると言えるでしょう。

キャッシュフロー

(Source:Morning Star)

事業構造的に投資CFが大きくなってしまいます。鉄道インフラ維持のために多大な設備投資が必要であり、同じ資本財セクターであるスリーエムなどとは異なります。大雑把に言えば、営業キャッシュフローの半分ほどを投資に回すという形となっています。

ですが、フリーキャッシュフローを輩出しているあたりはさすがと言えます。

株価推移

(Source:Yahoo! Finance)

10年間で約5倍以上の値上がりを示しています。

2009年に30ドル未満であった株価が直近では125ドルを超えており、例外はあるものの右肩上がりの上昇を示しています。

その分配当利回りは2%を切っている点は気になるところです。

最後に

資本財セクターからユニオン・パシフィック鉄道を取り上げました。

広いアメリカ国土の大部分を押さえたネットワークで物流輸送を支えています。事業構造的に参入障壁が高く、バフェット風に言えば大きなモート(堀)が築かれていることもあり、高い営業利益率は目を引きます。

配当に関しては、増配の余力がある点はプラス要素ですが、昨今の高い株価の影響もあり配当利回りが低く見えてしまうのが気になるところでしょうか。

資本財セクター①:スリーエム

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シーゲル流からバリュー投資へシフト中の素人投資家の暗中模索な日々

資本財セクター②:エマソン・エレクトリック

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