セス・クラーマンと”Margin of Safety”

こんばんは、こばいんです。

通勤途中とかに英語耳の維持がてら聞いているThe Investors Podcastを通じてバリュー投資への興味を強めています(どうやら今はバリュー投資に適さないよう時流のようですが)。

これまでにモニッシュ・パブライやガイ・スピアなどの存在を知り、彼らの著作からその投資哲学や手法などを取り上げてきましたが、今回また新たな大物バリュー投資家に登場してもらおうと思います。

その名も「ボストンの賢人」セス・クラーマン(Seth Klarman)です。

セス・クラーマン(Seth Klarman)とは

(出典:Forbes)

イントロダクション

セス・クラーマンは1957年生まれ、アメリカはニューヨーク出身のバリュー投資家です。

1982年に設立されたバウポスト・グループ(Baupost Group)のCEO兼ファンドマネジャーとして現在も活躍されています。

現在のファンド規模は300億ドルほどで、Wikipediaによれば設立以来の年平均リターンは約19%となっています。

彼自身はこのような相対評価は好みではないようですが、S&P500との比較をビジュアル的に比較するとその差は明瞭でしょうか。

(出典:Value Walk)

また、後述しますが、バリュー投資家のバイブルの一つとして一部の間でカルト的人気を誇る”Margin of Safety”の著者としても有名です。

幼少期

さて、そんなセス・クラーマンの生い立ちを追っていきます。

幼少の頃からビジネスへの興味をいだいていたクラーマンは小さいながらも色々なことを手がけます。スノーショベルや切手・コインのコレクションを売ったりなどしていたようです。

そして、10歳の頃には株式投資の世界に足を踏み入れジョンソン・エンド・ジョンソンの株式を購入し、12歳の頃には情報を得るためにちょくちょくブローカーに電話をしていたそうです。

このあたり、バリュー投資家の先輩であるウォーレン・バフェットとかぶりますが、いずれにせよ恐るべし…

ところで、ジョンソン・エンド・ジョンソンのIRサイトに投資シミュレーションができるのですが、ためしに彼が10歳のときに購入した株式がどうなったか追ってみます。

なお、実際に彼が10歳のときは1967年である一方、シミュレータの開始年は1972年までしか遡れないので、多少のズレはあります。

1972年1月の株価が97.75ドルであり、その1株が2017年末次点で約11,000ドルにまで成長しています(配当再投資含む)。

バウポスト・グループ(Baupost Group)へ

ビジネスに興味を抱きつつ成長したクラーマンはコーネル大学で経済学を専攻し、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得します。

ハーバードでの同窓にはジェフリー・イメルト(GEの前CEO)やジェームズ・ダイモン(JPモルガン・チェースの会長およびCEO)など、錚々たるメンツです。

そして、肝心のクラーマンとバウポストの接点についてですが、それは彼がハーバード卒業直後に訪れたようです。

当時の教授であったウィリアム・プアビュー(William Poorvu)から創設されたばかりのバウポスト・グループ(Baupost Group)の資金運用を依頼されました。

Baupostという名の由来は上記のプアビュー教授を含んだ創立パートナーの4名から取ったとのことです。たぶんですが、以下の感じかと思います。

  • Jordan Baruch
  • Isaac Auerbac
  • William Poorvu
  • Howard Stevenson

ここにクラーマン(Klarman)の字はありません。Baupostklとなる可能性もなきにしもあらずだったのでしょうが、彼がバウポストへ参加するタイミングは少々遅れてのことで、そこから名称変更されることはなかったようです。まあ呼びづらそうですし…笑

2700万ドルのファンド規模で運用が開始されたバウポストですが、年20%ほどのパフォーマンスを示し、今では300億ドルほどの資産規模となっています。

投資哲学

「ボストンの賢人」とも呼称されるセス・クラーマンですが、その投資哲学はその呼び名の大元である「オマハの賢人」ことウォーレン・バフェットの師匠であるベンジャミン・グラハムの影響が大きいです。

それは自身の著書の題名を”Margin of Safety(安全域)”としていることからも伺えるように、ベンジャミン・グラハムが提唱した安全域の考え方を重要視しています。

本質的価値から過小評価された不人気銘柄を安い価格で購入し、それが回帰して本質的価値に戻るなで保有し続け、適切なタイミングで売却することで好パフォーマンスを残してきたわけです。

むう、言うは易し行うは難しですね。。。

その他、クラーマンの特徴として挙げられるのが、比較的キャッシュポジションを多く持つことです。大半の場合は資産規模の3分の1ほど、多いときには50%ほどをキャッシュで保持しているそうです。これによりバーゲンセールとなっているようなときに大量に購入することを可能にしているのでしょう。

”Margin of Safety”

セス・クラーマンを語る上で忘れてならないのは彼の投資哲学を著した”Margin of Safety”の存在です。

1991年に出版された同書は発行部数が限定的だったこともあり(5000部ほどだったとか、ソース不明)、希少価値が高くバリュー投資家の間でカルト的人気を誇っています。

Amazon.comで検索すると次のような結果が返ってきました。

なお、高いときでは3000ドルほどの値をつけたこともあったそうです。

Why an out-of-print investment book gets bootlegged and sells for $3,000

読みたいと思いはあるものの手に入れるのも骨が折れそうなので、本書のサマリーやThe Investors Podcastなどから二次情報にはなってしましますが、ある程度考え方を学ぶことはできるのかなと思います。

最後に

今回は「ボストンの賢人」セス・クラーマンについて取り上げました。

ベンジャミン・グラハムが提唱した安全域をベースとする彼の投資哲学について、著書である”Margin of Safety”とともにもっと知りたくなった次第です。

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