<銘柄分析>フィリップモリス(PM)~「黄金銘柄」の代表格であるタバコ会社

こんばんは、こばいんです。

今回の銘柄研究、テーマはタバコ会社のフィリップモリス(PM)です。

シーゲル教授の「黄金銘柄」の一つで、昔ほどの圧倒的なパフォーマンスは難しいものの高配当で報いてくれる銘柄かと思います。

Philip Mollis 101

フィリップモリス(PM)は世界最大規模のタバコ会社であり、訴訟リスク回避などを考慮して2008年にアルトリアグループ(MO)の国際部門をスピンオフさせて誕生しました。

全世界で売り上げNo.1を誇る「マルボロ」を筆頭に複数の主力商品をボートフォリオにしています。私はタバコを吸いませんが、「マルボロ」のほかにも「ラーク」あたりの銘柄はさすがに聞いたことありますし、パッケージも見覚えあります。

(Source:Philip Morris International IR)

(Source:Philip Morris International IR)

そして、フィリップモリスは米国以外の地域をカバーしている一方、アルトリアグループが米国内を米国内をカバーするという棲み分けがなされています。

(Source:Philip Morris International IR)

なお、脚注をみるとわかりますが、最大消費国である中国はアジア地域が除かれています。といいますのも、中国専売が国内で幅を利かせています。

黄金銘柄

冒頭でも触れましたが、シーゲル本において、配当再投資を続けた場合のパフォーマンスが非常に高いことを示したのがこのフィリップモリスです。その運用成績は年率19.75%(1957年~2003年)にもなります。私もこの本を読むまでフィリップモリスを投資対象として見ていなかったこともあり、非常に驚かされたことは覚えています。

タバコは規制や訴訟のリスクに常に晒される商材なわけですが、シーゲル教授も述べている通り、企業にとっての悪材料は投資家にとっての好材料となったわけです。人々の期待が低いため割安となっていた株価で再投資を繰り返した結果、保有数が増加し、リターンを加速させるという、この一連の流れがシーゲル本で好パフォーマンスを示した黄金銘柄のメカニズムと理解しています。

現在は、この考えが昔と比べれば普及しており、当時ほど不人気なのかと言われるとそうではないと思います。多くのフォロワーが生まれ、かくいう私もその流れに乗っかっているわけです。PERは26.53(2018/4/16時点)と低いとは言えない値です。しかしながら、確立した事業に加え安定した財務基盤を持ち4%を超える配当を提供するフィリップモリスは、長期投資にという観点で見れば十分に魅力的な銘柄と言えるのではないでしょうか。

Smoke-Free Products

最近のタバコ業界においてシェアを急速に伸ばしている新方式タバコを無視しては通れません。下記に示す通り、主要なプレイヤーが新方式タバコを推し進めています。

  • フィリップモリス:iQOS(アイコス)
  • ブリティッシュアメリカン:Glo(グロー)
  • JT:PloomTech(プルームテック)

私自身はタバコを吸いませんが、職場においても喫煙者がiQOSやPloomTechを持ち歩いているのを見ますと、なかなかに浸透してきているのだと感じられます。

フィリップモリスのIRサイトにおいても新方式タバコをプッシュしていることが色々な場面でわかるでしょう。特に下のスライドからは10年もしないうちに、新方式が従来の紙タバコに比肩しうる存在になることをアピールしていることが感じ取れます。

(Source:Philip Morris International IR)

ここで気になるのは、新方式を“Reduced-Risk Product”としているところです。フィリップモリスをはじめとするタバコ会社としては、昨今の健康志向の高まりの中で会社が生き残るためには新方式がいかに害の少ないものかをアピールする必要があるのだと思います。そのために、FDA(アメリカ食品医薬品局)に認めてもらおうと色々と働きかけているようものの、まだお墨付きは得られていないようです。この点は今後もチェックしておきたいところです。

株式基本データ

ティッカー:PM

本社:スイス・ローザンヌ

設立:2008年

セクター:生活必需品(タバコ)

上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場

バリュエーション

(以下は2018/4/16時点)

PER:26.53

PBR:—— ※PBR算定不能となっているのは純資産がマイナスとなっているため

配当利回り:4.22%

(以下は2017/12時点)

ROA:15.09

ROE:——  ※ROE算定不能となっているのは純資産がマイナスとなっているため

EPS:3.88

売り上げと利益

(Source:Morning Star)

ここ10年間で売り上げは横ばいで、まさに成熟企業のそれという感じですね。確かに、分煙化や完全禁煙、さらには値上げ要素など、ユーザである喫煙者にとってはどんどん制限がかかるので、伸びしろがあるかと言われると厳しいのかもしれません。

利益に関しては、純利益もそうですが何より営業利益率の高さは注目に値します。40%を超えた高水準の安定性は高配当への原資とつながるわけですね。

一株当たりの利益と資本

(Source:Morning Star)

EPSについても基本的には横ばい傾向が見て取れます。

このグラフ上で、EPSよりも目を引くのはBPSかと思います。これは、純資産がマイナスとなっているため、ネガティブとなっているのですね。株主還元を徹底するため、借入金で資産を賄っているわけで少々懸念材料にはなりますが、後で触れます潤沢なキャッシュフローを考慮すれば絶対NGとしなくてもよいかというのが個人的な見解です。

配当と配当性向

(Source:Morning Star)

配当は右肩上がりなのは喜ばしい一方、ここ5年で見ると配当の伸びに比較して配当性向がより速く上昇していることが見て取れます。特に2016年度では98%まで達しています(翌年度に92.5%まで下がりました)。

キャッシュフロー

(Source:Morning Star)

潤沢なフリーキャッシュフロー、ここにフィリップモリスの強みが凝縮されているのではないでしょうか。安定した事業形態から創出される営業キャッシュフローに対して、投資キャッシュフローは新たな設備投資を必要としないため少額に抑えられています。その差額として高水準のフリーキャッシュフローが生み出されています。

ただし、新方式に関する設備投資のためか少々投資キャッシュフローの数字が挙がってきている点は今後も注意しておくべきかと思います。

株価推移

(Source:Yahoo! Finance)

最近ではiQOSの普及も手伝って2017年末までは上昇傾向を示していましたが、ひと段落して100ドルあたりまで落としています。

2017年夏から米国株投資を始めた私は110ドルあたりで買っているので、含み損となっています(とても買い方上手とは言えないですね、反省材料)。残念ではありますが、長期ホールドで配当再投資していければと今のところは思います。我慢強くあらねば…

最後に

シーゲル教授によってその好パフォーマンスが注目された「黄金銘柄」、その代表銘柄であるフィリップモリスを見てきました。

今後も高配当銘柄の一つとして評価される一方、高めのPERや配当性向などからすると、昔ほどのパフォーマンスを期待できるかと問われると難しいところもあるかもしれません。アイコスの登場などで盛り上がっている部分もあり不人気銘柄とは言えないでしょうが、今後の展開を注目しつつホールドしたいと考えます。

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