モニッシュ・パブライ③~最近の米国市場、チェックリスト、コミットメントバイアス

こんばんは、こばいんです。

前回取り上げた「ダンドー」の著者であるモニッシュ・パブライについて引き続きフォーカスを充てます。

今回は、今年6月のインタビューから興味深い3つの点について彼の考えを紹介します。

(実際の記事はこちら

米国市場にはチャンスなし!?

パブライは市場に対する自身の総論的な考えを次のとおり語っています。

  • 時間的観点で幸福(Euphoria)な期間と悲観(Pessimism)的な期間を繰り返す
  • 地理的観点で幸福(Euphoria)を享受している場所もある一方、悲観(Pessimism)に陥っている場所もある

現時点の米国市場は時期的にも地理的にもEuphoriaの傾向が強く、自身のスタイルであるバリュー投資に叶う割安銘柄を見つけるのは非常に難しいと感じているようです。むしろ、ミスプライシングが多く見られるのは韓国や日本、そしてインドだと語っています。

そして、驚くべきことに最近のパブライが運営するファンドには米国市場の銘柄が全くありません。これは、およそ20年に及ぶ運用期間のなかでも初めてのことだそうです。パブライの視点からすれば、米国市場は旨味がないように見えるということでしょう。

※なお、これはあくまで彼の提唱するダンドーフレームワーク(バリュー投資)において魅力的な銘柄がないということであり、全てを否定するものではないと思っています。投資スタイルが異なれば考え方も違ってくるでしょう。

チェックリストは有用

パブライは投資判断を行うにあたりチェックリストの有用性を説いています。

これは元々彼の知り合いの医師が手術にあたりミスを犯さぬようチェックリストを準備している、というエピソードからインスパイアされたものだと聞いたことがあります。

当初90近くの質問を備えていたチェックリストですが、運用してから10年近い年月を経て現在では150近い質問を有しているようです。相当なボリュームであることが容易に想像できます。

これは見方を変えれば、投資を実行するにあたってはそれだけ注意する必要があるのだということでしょう。実際、パブライの語るところによれば、質問項目の大半は過去の偉大な投資家ですら失敗に終ってしまった投資内容を分析するところから得ているようです。

そして、質問の多くは次の3分野に集約されるそうです。

  1. レバレッジ
  2. 経営・オーナーシップ
  3. 比較優位生・堀

使い方としては、投資のアイデアを思いついたら実行に移る手前段階で行って、答えることができない項目があれば、立ち戻って調べなおしたりします。

叶うものなら一度見てみたいです。

私も仕事のなかでチェックリストを使用しています。正直「面倒だな」とか「意味あるのか」と思ったりすることもありますが、このような形で話を聞くとなるほどーと気付かされます。現金なものですね笑

コミットメントバイアスには注意せよ

投資パフォーマンスに影響を与えるものとして、コミットメントバイアス(Commitment Bias)を挙げています。

投資対象の探索をしているとしましょう。いくつか候補が見つかったなかで、一つ一つを詳細に調べることになるかと思います。

パブライ曰く、最初の1,2分が非常に重要で、その短い時間の中でその投資対象を見送るか、もしくはさらに15分くらい使って調べるかどうかの意思決定をすることになります。

もし調べる選択をしてから15分ほど経ってから、先と同じようにやはり見送るのか、それとも追加で調査するためにさらに時間を投入するかどうかの意思決定をすることになります。

時間が無限にあれば一つ一つじっくりと調べていけばよいのでしょうが、そんな十分な時間はありません。数多くの投資対象があるなか、どれに焦点を充てるべきかそうでないかを迅速に決めていく必要があります。

そのような環境下でコミットメントバイアスが作用してきます。

というのも、貴重な時間を投入したこともあり、その投資対象で稼ぎたいという感情が生じてくるからです。調査の結果、その投資対象が自身に良いリターンをもたらさないとしても、せっかく調べたのだから何とかできないかと、ズレた方向に思考が走ってしまうそうです。

パブライによれば、このコミットメントバイアスがあることを意識することは非常に大切であり、投資対象を見るにあたっては最初の数分間で意思決定を下す重要性が説かれています。

最後に

パブライのインタビューから興味深いポイントを3つに絞って紹介しました。

  • 彼の見立てでは米国市場にバリュー投資の観点では魅力的ではない
  • チェックリストは有効なツールである
  • コミットメントバイアスに注意する

個人的にはいずれも参考となる中身でした。

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