<銘柄分析>アルトリアグループ(MO)~安定した事業と配当で報いるタバコ銘柄

こんばんは、こばいんです。

先日フィリップモリスを取り上げたの続いて、今回はタバコ会社のアルトリアグループ(MO)を取り上げたいと思います。

タバコという様々なリスク(規制リスク、訴訟リスク、課税リスク)に晒される事業を展開しながらも、その高い収益性や株主還元の姿勢は評価できると思います。なお、アルトリアグループはフィリップモリスの米国部門なわけですが、そのフィリップモリスはシーゲル流で言うところの配当再投資で高リターンをはじき出した「生き残り」銘柄の一つでもあります。

最近ですとフィリップモリスの四半期決算に起因する大幅な株価下落に引きずられ株価が低迷していますが、今後も私のような配当再投資を視野に入れた米国高配当銘柄の主力の一つとなってくれると考えます。

Altria 101

アルトリアグループ(MO)は先日取り上げたフィリップモリス(PM)との関係が強いです。というのも、訴訟リスク等を考慮して、2008年にアルトリアグループのタバコ事業国際部門としてフィリップ・モリス・インターナショナルがスピンオフとして分社化されたわけです。

つまり、アルトリアグループは米国内を担当する一方、フィリップモリスはグローバル領域を担当する形でタバコ事業を展開しています。なので、フィリップモリスに米国内の売り上げがないのも当然ですね。

また、アルトリアグループ(MO)はタバコに加え、ワインなどの食品も扱っており、かつては世界最大級の食品会社を傘下に収めていたようで、その詳細はたぱぞうさんの記事に紹介されており、大変勉強になりました。

主力事業はもちろんタバコで、Marlboroはエース格です(非喫煙者の私でも名前知っています)。このMarlboroだけで米国内のシェアの4割近くを占めており、まさに中核をなしていると言えます。

他にもSmokeless Productsとして、いくつかの製品を市場に出しているようですが、そのインパクトはタバコに比べて小さく、売り上げ構成でいうと約1割程度です。以下が製品群ですが、正直なところわかりませんでした。

(Source:Altria Group IR)

フィリップモリスの記事で紹介したアイコスについては、米国ではまだ販売されておらず、もうしばらく様子見かと思います。

米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は1月25日、大手たばこ企業のフィリップモリス社が販売を申請していたiQOSについて、「通常のたばこ製品と比べてたばこ関連の疾患リスクが低い製品」として販売するという同社案が退けられたことを明らかにした。

ー毎日新聞より

アメリカは日本よりもタバコに対する風当たりが強く、私がアメリカにいたときの感覚ではありますが、訪れたレストランはほとんどが全席禁煙となっていたという認識です。ですので、会社としてはアイコスを低リスク商品としてアピールしたいのでしょうが、FDAのハードルをなかなか越えられません。

このあたりからするとなかなかに今後は厳しいかもと思う向きもありますが、やはりお酒のように依存性のある商材でもあるので、後ほど見ていきますがこれからも手堅く事業成績をあげ続けるのではないかというのが私の見解です。

株式基本データ

ティッカー:MO

本社:アメリカ・バージニア州リッチモンド

設立:2008年(この年に米国外事業をフィリップモリスとして分離しました。)

セクター:生活必需品(タバコ)

上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場

バリュエーション

(以下は2018/4/25時点)

PER:10.83

PBR:6.81

配当利回り:4.76%

(以下は2017/12時点)

ROA:22.94

ROE:72.63

EPS:5.31

売り上げと利益

(Source:Morning Star)

売上高は微増で200億ドルにわずかに届かないといったところです。

直近2年の純利益が高くなっていますが、2016年は特殊要因(SABミラー株の売却益)によるところであり、2017年も税制改革による一時収益計上(34億ドル)によるところであり、それを除けば安定的な50億ドル前後の安定した純利益を創出しているとみることができます。

先日調べたフィリップモリスと同様に、営業利益率は注目に値するものであり、その数字は40%前後という高水準でさらに50%に迫ろうとしていますね。ここには載せていませんが、粗利率は60%であり、事業の高い安定性を感じさせます。

EPSとBPS

(Source:Morning Star)

上でも触れた2016年と2017年の状況を除けば基本的にはフラットな推移をしています。

配当と配当性向

(Source:Morning Star)

フィリップモリス分社化後、配当を着実に捻出しているのがわかるキレイな右肩上がりの推移です。配当性向は80%前後となっており、これは得られた利益の大半が配当として還元されていることがわかります。ここでは記載していませんが、自社株買いも少なからず(この10年間で6%強)実施しており、投資家としては株主還元の姿勢は好感が持てます。

キャッシュフロー

(Source:Morning Star)

営業キャッシュフローが高水準であることはもちろん素晴らしいのですが、私としては何よりも投資キャッシュフローの小ささに目が行ってしまいます。

タバコの作り方は既に確立されており、製品化をより効率的にさせるために機械を導入するくらいでしょうから少ない投資で済んでいるわけです。結果として、フリーキャッシュフローも営業キャッシュフローとほぼ大差のないレベルで高く安定しており、高配当への原資となっているのですね。

今後は新方式タバコの動きもあり投資キャッシュフローも現状より増えるかもしれませんが、それでもキャッシュフローに関する全体的な構造は不変ではないかと個人的には思います。

株価推移

(Source:Yahoo! Finance)

2017年までは先日調べたフィリップモリス以上の右肩上がりの推移を見せていました。

一時は77ドルの高値を付けましたが、FDA(アメリカ食品医薬品局)によるタバコ規制の影響で下落しました。さらには2018年4月にありましたフィリップモリスの第1四半期決算(たばこ出荷量減少、日本でのアイコス販売伸び悩み)では、フィリップモリスの株価は15%ほど下落したわけですが、それに連動してアルトリアの株価も下がっており、現時点では55ドルの水準まで落ちています。

最後に

アルトリアグループに限らず、タバコ株はどうしてもリスクに晒され、昨今の健康志向の高まりもあり状況は厳しいかもしれません。しかしながら、アルトリアグループの安定した事業は今後も継続できると思いますし、株主還元の姿勢は評価できるので、機を見て買い増ししていきたいところです。

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