〈行動経済学〉メンタルアカウンティング~お金には色がつく

こんばんは、こばいんです。

”Nudge”に戻って、今回は「メンタルアカウンティング」を取り扱います。

Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth and Happiness
Richard H Thaler Cass R Sunstein
Penguin
売り上げランキング: 76

人は合理的にお金を使うのではなく、色をつけて見ている、という話です。

メンタルアカウンティングとは

メンタルアカウンティング(Mental Accounting)は行動経済学のなかで提唱された考え方で、日本語にすれば「心の会計」「心の家計簿」とでも呼ぶべきでしょうか。

私たちはお金に関して何かの判断を下すにあたり、心理的な枠組みを通じてその行動を評価・管理・記録しており、それがメンタルアカウンティングです。

家計簿はメンタルアカウンティングの典型例でしょう。

支出項目を「家賃」「食費」「交通費」「光熱費」「交際費」などの項目に振り分け、それぞれに予算を設けてやりくりをしたりしますよね?

そして、うまくやりくりして、支出を収入以下に抑えることができれば、その余剰分を「貯金」や「投資」に振り分けられます。

これら「」で表現された各項目はまさに人間が作り出した心の勘定科目というわ‘けです。

このように、我々の多くは意識するしないにかかわらずメンタルアカウンティングを使って生きています。

人間はお金に色をつけてしまう~Not Fungible

ファンジブル(fungible)は耳慣れない言葉かもしれませんが、日本語で言えば「代替可能」という意味になります。

そして、経済学においてはお金はファンジブル、つまり代替可能なわけですが、実際の人間は経済学が前提としているほどの合理性を持ち合わせていないようです。

先の家計簿の例にもあるとおり、人はお金の使い道に「色」をつけていることがわかります。

合理的に考えれば、「食費」に充てた3万円と「交際費」に充てた3万円に違いはありません。同じ3万円でファンジブルなわけです。

しかしながら、普段はとても節約して10円や100円のレベルで余計な支出を嫌う人が、海外旅行に出かけると、1万円以上のものをどんどん買い物してしまうのは、「日常の生活費」と「特別費」を“心の中”で使い分けたりしているからです。

他にも、ギャンブルで儲かったときの1万円と食費で使う1万円の価値に対する考え方も人間は異なる反応を示します。

メンタルアカウンティングをうまく使う

お金に関するウェブサイトで節約する方法を見かけますが、その中にはこのメンタルアカウンティングを活用したものがあります。

  1. 口座は分ける
  2. 現金は極力持たない
  3. クレジットカードは極力使わない

口座は分ける

日常用・貯蓄用・投資用といった形で口座を複数用意して、給与が振り込まれれば日常用に必要分だけを入金し、残りを貯蓄用や投資用に振り分けるという方法があります。

合理的な人間であれば、どの口座にお金を入れていようがお金を貯める必要性があれば貯められるはずですが、実際はそう簡単な話ではありません。

そこで、貯めたい、もしくは投資したい分のお金は給与振込口座(その人のメインバンク)に入れっぱなしにしないように考えます。自分の財産合計は同じであっても、「日常用20万円」と「日常用15万円、貯蓄用3万円、投資用2万円」では全く意味が異なります。後者の方がお金を増やせるはずです。

現金は極力持たない

手元の財布に現金がたくさんあると、ついつい余計なものまで購入してしまいませんか?

銀行口座にお金があるのと、財布にお金が入っているのとは合計額として考えればまったく同じですが(銀行利息は除く)、私も含めて多くの人は財布に多くのお金があると金遣いが多少粗くなります。

そこで、財布にたくさんのお金を入れない、ということは無駄遣いをしないテクニックになります。最近は週末や年末年始でもコンビニ等を含めてATMが利用できますので、手元に多くの現金を持つ必要はありません。必要最小限にとどめておくことが大切です。

クレジットカードは極力使わない

上で謳っていることと矛盾していますが、クレジットカードの使用を極力控えて現金払いを心がけるのもメンタルアカウンティング的なテクニックの一つです。

合理的な考えの下では、買い物の額は現金で払おうが、カードで払おうが同じです。しかし、これまで触れてきたとおり人間は非合理的な要素も持っており、ここはそれを利用して自分が節約できるアプローチを取ってみましょう

現金払いをすると、「お金を使った!」という実感が伴うので、これを利用するわけです。電子マネーやクレジットカードはもちろん便利ですが、意識した使用を心がけたいですね。

最後に

今回はメンタルアカウンティングについて触れました。私たちはお金に関して何かの判断を下すにあたり、心理的な枠組みを通じてその行動を評価・管理・記録しています。

人は合理的にお金を使うのではなく、色をつけて見ている、というわけですが、その非合理性をうまく使うこともできます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする