経営者は大事、だけど事業はもっと大事

こんにちは、こばいんです。

投資先の企業を見るにあたって、誰が舵取りをしているかどうかは重要という観点で、経営者は重要な要素です。

経営環境の急速なグローバル化に従い、迅速に最適な意思決定を下すことのできる経営者人材の発掘や育成は日本企業にとって喫緊の課題となっています。最近では日本の大企業においても「プロ経営者」登用のニュースが話題になっています。

本記事ではそのあたりに触れつつ、投資という観点において「経営者は大事、だけど事業はもっと大事」という主張をしたいと思います。

経営者は貴重なリソース

これまで日本の多くの企業では、トップである社長の多くは生え抜きのなかから出世競争を勝ち抜いてきた者が登用されるイメージでした。しかし、最近では「プロ経営者」という言葉を耳にする機会も増えているとおり、外部から招聘する動きも出てきています。

最近ですと、カルビーの松本会長が今月からRIZAPグループの最高執行責任者(COO)に就任するというニュースが話題になっています。

カルビー松本会長に聞く、RIZAPを次の会社に選んだ理由

松本氏はまさに日本におけるプロ経営者の走りとも言えます。

新卒で総合商社の一つである伊藤忠商事に入社し、そこでの経営手腕を買われジョンソン・エンド・ジョンソン・メディカルへキャリアチェンジをします。そこでの社長、さらには最高顧問を経て、2009年よりカルビー会長としてカルビーを率いてきました。

松本氏をはじめとするプロ経営者が求められる背景としては、彼らの会社全般を見通して課題を発見し打開する経営スキルはもちろん、限られた時間や情報のなか数々の難しい決断を下してきた意思決定の力が買われているのだと思います。

かのウォーレンバフェット氏も投資先の企業を定める際には経営者の質を非常に重視していると語っています。特に経営者の人柄であったり、彼らの考え方や会社の方向性などをインタビューを重ねながら自信を持てる企業へ投資していると聞いたことがあります。

だけど事業はもっと大事

と、ここまで経営者の重要性を説いてきましたが、今回の主張に移っていきます。

いつかは愚か者が経営することになる

企業が存続・成長をさせていくという観点において、だれが経営するかはもちろん大切ですが、それ以上に事業の性質に大きく依存していることを見逃してはなりません。

別にプロ経営者を否定しているわけではなく、むしろ優秀な経営者による手綱づかいで企業は一層たくましくなると思います。

しかし、いつまでも一人の経営者が企業を引っ張っていくことはほとんどありません。(いわゆるオーナー企業などの例外はありますが)

過去の経営者から現在の経営者、そして次代の経営者へとバトンを引き継いていくなかで、次のことは可能性として否定できません。

「なぜなら、いつかは愚か者が経営することになるからだ」

(出典:とびきり良い会社をほどよい価格で買う方法

水漏れボート+優秀な漕ぎ手 VS 水漏れしないボート+普通の漕ぎ手

ウォーレン・バフェット氏にここで再登場してもらいましょう。氏も先に触れたとおり経営陣の重要性を認識していますが、やはり事業の性質はそれ以上に重要であり、企業をボートに例えて次のように語っています。

私自身の経験やほかの事業の詳しい観察から、私は次の結論に至りました。もちろん、知性や努力はどんな事業においてもかなり役に立ちます。ですが、利益という観点で経営陣が優れた業績を上げられるかどうかは、企業というボートをいかに効果的にこぐかよりも、どんなボートに乗るかのほうが圧倒的に重要なのです。

どんなに漕ぎ手が優秀であっても、載っているボートが水漏れするのであればいつかは沈んでしまいますね。

一つ事例をご紹介します。

過去にJCペニーの業績を回復させようという試みがありました。物言う投資家であるビル・アックマン氏の指揮下に元アップルストアを成功に導いた天才のロン・ジョンソン氏が事業のテコ入れのために招聘されました。

しかし、ジョンソン氏はアップルストアでの成功を再現することはできず、業績を回復させようという試みは失敗に終わりました。アックマン氏はJCペニーに投資した10億ドルの60%を失って撤退しました。

最後に

「プロ経営者」という言葉に代表されるように、現在の経営環境において数々の難しい意思決定を行う経営者人材は非常に貴重な存在です。

もちろん投資を考えるにあたって経営陣も考慮に入れる必要がありますが、事業の性質はそれ以上に大事であるということを述べました。

一部の例外を除けば、才能があると評判の経営陣が立て直しを図っても、経営基盤が弱ければ厳しい状況は変えにくいわけです。

経営陣は事業運営に影響を及ぼすことができますが、その事業が経営陣の質に左右されず、愚か者でも経営できるのであれば、それに越したことはないです。そうした事業(コカコーラ、フィリップモリスなど)は失敗から身を守る経営上の濠(Moat)があるが、経営判断にあまり左右されないわけです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする