〈銘柄分析〉エマソン・エレクトリック(EMR)~連続増配60年を超える優良コングロマリット

こんばんは、こばいんです。

前回、資本財セクターの銘柄分析で3M(スリーエム)を取り上げました。

引き続いて資本財セクターからエマソン・エレクトリック(EMR)をピックアップしたいと思います。

一般消費者としては事業のなじみが薄いですが、堅実なビジネスで100年以上も生き残り、さらに連続増配年数が60年を超える質実剛健な会社という印象です。

エマソン・エレクトリック 101

エマソン・エレクトリックは、米国ミズーリ州セントルイスに本拠を置く、米国を代表するコングロマリットです。

1890年に交流モーターの製造会社として発足、以来100年余りの間に地方の一製造業から世界的な大手電気電子機器メーカへと、驚異的な成長を遂げました。

どちらかと言うとB to Bのビジネスであるがゆえ、一般消費者である我々としてはあまりお目にかかる機会が少ないかもしれません。

現在の事業については、2015年の変革によって再編された「オートメーションソリューションズ」と「コマーシャル&レジデンシャルソリューションズ」の2つのビジネスプラットフォームが軸となります。下記グラフにもあるとおり、前者が売上全体の6割、後者が4割を占めています。

(出典:Emerson Electric IR)

なお、Wikipediaの日本語ページを見ると事業領域が5つあると記載されていますが、これは過去の事業ポートフォリオかと思われます。

また、地域別の売り上げに関してはいかが参考になりますが、北米を中心として、アジア、ヨーロッパと続く形で世界的に分散されています。

(出典:Emerson Electric IR)

ビジネストランスフォーメーション

上でも触れましたが、2つのビジネスプラットフォームである「オートメーションソリューションズ」と「コマーシャル&レジデンシャルソリューションズ」をもう少し見てみます。

そもそも、これは2015年の事業変革でソリューションを中心にした高度集中化ポートフォリオのビジネスモデルを構築した結果によるものです。

(出典:Emerson Electric IR)

2つのビジネスプラットフォームを中心とするため、事業を売却したのが第1段階、そしてコア事業として築き上げるのが第2段階で現時点ではここまで完了しています。

そして、2つのプラットフォームを発展させるのが最終段階で、その完遂に向けて2020年のタイムラインで注力しているわけです。

オートメーションソリューションズ

工場・プラントなどの生産性向上や操業コストを低減させるソリューションを様々な事業領域で展開しています。

主要ブランド

  • Branson…精密溶着および超音波洗浄ソリューション
  • ASCO…流体オートメーション(バルブなど)
  • Appleton…照明および配電ソリューション

コマーシャル&レジデンシャルソリューションズ

人々の快適な暮らしと健康、食品の品質と安全を守り、エネルギー効率を上げ、持続可能なインフラストラクチャーを支えるソリューションを提供しています。

主要ブランド

  • RIDGID…工場や建設現場、過酷な環境で使用されるツール
  • InSinkErator…ディスポーザとホットウォーターディスペンサー
  • COPELAND…業務用、住宅向け空調・冷凍その他用途のコンプレッサー

株式基本データ

ティッカー:EMR

本社:ミズーリ州セントルイス

セクター:資本財

設立:1890年

上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場

バリュエーション

(以下は2018/6/20時点)

PER:25.47

PBR:5.24

配当利回り:2.74%

(以下は2017/09時点)

ROA:7.35%

ROE:18.64%

EPS:2.35ドル

売り上げと利益

(Source:Morning Star)

売上・純利益ともに2014年を境に200億ドルから150億ドル前後のレベルまで落ちていますが、これは先に述べた事業改革による影響です。

営業利益率は20%付近におり、電気メーカであることを考慮すると素晴らしいと個人的には思っています。比較対象として正解か保証できませんが、日本を代表する電気メーカである日立の営業利益率は7%ですし、110年ぶりにダウから外れて話題のGEも7%の営業利益率となっています。

EPSとBPS

(Source:Morning Star)

EPSとBPSともにそこまで大きく上下動していないという印象です。

配当と配当性向

(Source:Morning Star)

配当利回りは3%以下なので、保有している銘柄と比較すると物足りない感じではありますが、連続増配は60年を超えておりその点は非常に魅力的です。

なお、配当性向は前年度で80%に迫っている点は少々気になるところです。

キャッシュフロー

(Source:Morning Star)

最近は多少目減りしていますが、安定してフリーキャッシュフローを輩出しています。目減りしている背景には、上で触れた事業改革により営業キャッシュフローが多少落ちているからでしょう。

結構驚きだったのは設備投資がそこまで大きくない点です。ゆえに、安定的にフリーキャッシュフローが安定しているんだと思います。

株価推移

(Source:Yahoo! Finance)

10年間で約2倍となっています。

基本的に右肩上がりですが、その間に上下に行ったり来たりしています。これはやはり景気循環の影響を受けやすい資本財セクターに共通する事柄だと考えます。

最後に

前回のスリーエムに続いて資本財セクターからエマソンエレクトリックを取り上げました。

なかなか一般消費者にはなじみが薄い会社かもしれませんが、「オートメーションソリューションズ」と「コマーシャル&レジデンシャルソリューションズ」という2つの軸で堅実にビジネスを展開しています。

特に連続増配年数は60年を超えており、今後もしっかりと配当を輩出してくれることが期待されます。

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