行動経済学を学んでどうすんの?~ちょっと小突いて良い方向へ

こんばんは、こばいんです。

これまで「心理学は投資に役立つ」という観点から、経済学と心理学のハイブリッドでもある行動経済学について記事をいくつか書いてきました。

いろいろと学ぶ点もありますが、今回は「それでどうすんの?」という素朴な疑問から記事を新たに起こしました。

結論としては、人間の非合理性もしくは人間らしさを活用して社会をより良くできる、ということです。

行動経済学を学んでどうすんの?

行動経済学は、従来の経済学で想定されているほど人間は合理的ではなく、その考えに基づいてプロスペクト理論アンカリング効果などのアイデアが生まれてきたわけです。

「なるほどなー」と思うことも多いのですが、ふとこんな疑問がよぎります。

だから何なのさ?

どちらかというと人間の心理メカニズム的なものを取り扱っている印象が強く、それを社会や投資にどう活かせるのだろう…という気持ちになるわけです。

そこで登場するのがこれまで取り扱っている書物のタイトルである”Nudge”です。

なお、Nudge(ナッジ)は日本語にすると「ひじで小突く」という意味です。

著者の一人であるリチャード・セイラー教授は、人間の非合理性、もう少し柔らかく言えば人間らしさを逆手に取って、ちょっとした仕掛けで社会をよりよくすることができると提唱しています。

Nudge(ナッジ)が有効活用されるわけ

過去にも触れましたが、人間には2つの思考システムが備わっており、”Nudge”では、以下の2つを定義しています。(学者や本によって呼称や定義は異なりますが、大体のアイデアは同じ認識です)

  • Automatic System(自動システム)…直観的や自動的に行う考え方
  • Reflective System(熟慮システム)…理性的で思慮深い考え方

繰り返しになるかもしれませんが、Reflective Systemを使った方が意思決定の場でより良い決断を下せることができるはずです。

しかし、多くの時間や注意力を要するReflective Systemを毎回使って意思決定するほど我々は余裕がありませんし、意思決定の場面は数多く存在します。

というわけで、我々は生活や仕事の多くの場面で直観的や自動的な思考であるAutomatic Systemを使っているわけですが、これでは必ずしも正しい選択をできるわけではありません。そして、そんな人間の非合理な思考をいろいろな切り口で見てきました。

だからこそ、逆にちょっと小突くことで人間の意思決定や行動を変えることができる、という考えへ発展することができます。

ここでNudge(ナッジ)が登場するわけです。

以下では具体例をいくつか見ていきましょう。

Nudge(ナッジ)の事例~ちょっと小突いて良い方向へ

男子トイレの小便器の内側に

いきなり汚い話でスミマセン。

数は多くありませんが、男子トイレの小便器の内側にマークがあるのを見かけたことはないでしょうか。右のようなイメージもあれば、他にも蠅の絵などもあります。

単純な仕掛けかもしれませんが、これで多くの人がよく狙いを定めるようになり、周りの汚れが少なくなるようです。

まさにコロンブスの卵のような話ですが、この取組みの結果、ある空港では年間1億円以上もの清掃費用を削減できた話もあります。

冷静に考えれば、この仕掛けがなくとも周りを汚さないように小便をするはずですが、そこまで気が回らないので、小突いてあげることが大事なんですね。

階段で登ってみよう

最近、駅の階段とかで右のようなモノを見かける方も多いのではないでしょうか。自分もよく行くジムの階段で見かけます。

ちょっと階段使って上ってやろうという気にならないでしょうか。

階段での上り下りは健康によいというのはわかるものの、ついついエスカレータやエレベータで楽をしてしまいがちです。

そこで、消費カロリーを見える化してあげることで、「たまには階段で移動するか」と思わせて行動を変化させることができるわけです。

余談ですが、階段と言えば三菱サラリーマンさんですね。

カフェテリアで健康に

シカゴの学校のカフェテリアにて、利用者の取りやすい位置にジャンキーなものでなくサラダなどの健康に良いメニューを配置し直したところ、健康メニューを選ぶ人の割合が以前に比べて35%増えたそうです。

食事は健康にとって大事な要素ではありますが、そこまで意識せずに選んでいるわけですね。Mindless Choosingっていう奴です。

最後に

今回は「行動経済学を知ったところでどうなんの?」という素朴な疑問から、ナッジの観点について触れました。

人間の意思決定における非合理性を説いている行動経済学ですが、いくつかの事例を通じてその人間らしさを活用して社会をより良くできるという点は収穫かと思います。

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