「72の法則」と「115の法則」 ~ あなたの資産が2倍・3倍になるのは何年後?

こんばんは、こばいんです。

前回の記事で複利のチカラに触れましたが、この複利にまつわる便利な法則があります。

その法則を使えば、「手元資金100万円を10年で2倍に増やすために必要な運用利回りは ? 」という質問もサクッと答えることが可能です。

そこで、今回は投資をかじったことがある方なら一度は耳にしたであろう「72の法則」、さらには「115の法則」という便利な法則について学びたいと思います。

「72の法則」とその導出

「72の法則」とは

はじめにご紹介するのが「72の法則」です。これは、ある運用利回り(%)と、その利回りで複利運用した場合に資産を2倍とするために必要な年数を掛けると大体72となる、というものです。

少し見方を変えると次のようにも考えることができます。

【72の法則】
72 ÷ 利回り(%) = 資産が2倍になる期間 (年)  ※近似値

これを用いれば、次のように運用比率に応じて資産を2倍にするために要する年数をサクッと計算することが可能です。

  •  1%で運用:72÷ 1=約72年
  •  2%で運用:72÷ 2=約36年
  •  3%で運用:72÷ 3=約24年
  •  4%で運用:72÷ 4=約18年
  •  5%で運用:72÷ 5=約14年
  •  6%で運用:72÷ 6=約12年
  •  7%で運用:72÷ 7=約10年
  •  8%で運用:72÷ 8=約 9年
  •  9%で運用:72÷ 9=約 8年
  • 10%で運用:72÷10=約 7年

前回記事でも5%複利運用で資産を2倍を超えるのが15年目であったことから、当てはまっていると言えます。

「72の法則」の導出

この便利な「72の法則」、本当に成立しているの?と気になる方もいるのではないでしょうか。もちろん、実際に導出することが可能です(数式嫌いの方はスキップして構いません)。

資金Pを年利rでN年間にわたり運用して2倍にするので、次式のように表せます。

$$P(1+r)^N=2P$$

ここから、Pを除いて両辺に対数をとると、

$$Nln(1+r)=ln(2)=0.693\cdots☆$$

となります。右辺はよいのですが、左辺の

$$ln(1+r)$$

をどうにかしたいですね。テイラー展開(な、懐かしい…)で近似することで対数の部分を取ります。利回りrは、基本的に数%~十数%の範囲であるから、エイヤー!でゼロ付近で近似します。すると、次のように展開されます(ゼロ付近だからマクローリン展開ですよね…これも懐かしい)

$$ln(1+r)=r-\frac{r^2}{2}+\cdots$$

ここで、もう1回エイヤー!で1次近似を取って☆式に戻して以下のとおり整理することができます。

$$Nr=0.693$$

そして、r(利回り)がパーセント値であることを考慮すると右辺は69.3となります。そこから最後のエイヤー!で72にしてあげると「72の法則」が出来上がります。

最後が少々強引でしたが、おそらく69にするよりも約数の多い72の方が妙味があったのではないでしょうか。

この法則が発見されたのがいつかは定かではないようですが、Wikipediaによれば、遅くとも15世紀末には登場しているようで、「会計の父」とも呼ばれるルカ・パチョーリが1494年に出版した『スムマ』と呼ばれる数学書に「72の法則」に関する記述が載っているそうです。

今ではExcelとかでサクッと計算できてしまいますが、これほどシンプルで使いやすく法則を編み出したセンスには脱帽です。

「115の法則」

使い勝手の良い「72の法則」ですが、「じゃあ資金を3倍になるまでに必要な運用期間は?」と聞きたくなったのではないでしょうか。

実際のところ、「72の法則」ですが、2(とその倍数)にしか使うことができません。

そこで、この質問に答えるのが「115の法則」という別の法則です。

中身としては、ある運用利回り(%)と、その利回りで複利運用した場合に資産を3倍とするために必要な年数を掛けると大体115となる、というものです。

【115の法則】
115 ÷ 利回り(%) = 資産が3倍になる期間 (年) ※近似値

前回記事でも利回り5%での運用で資産を3倍にするのに要する期間は23年間でしたが、これはまさに115÷5=23という計算結果と合っていますね。

なお、導出過程は上と同様なので、省略します。

「72の法則」と「115の法則」を組み合わせる

資産を2倍もしくは3倍にするために必要な運用期間もしくは利回りを簡易的に計算できる「72の法則」と「115の法則」。それぞれ別個で利用することはもちろん、組み合わせることも可能です。

どういうことかと言いますと、以下に示すように2と3の組み合わせることによって、資産を4倍や6倍にするのに必要な運用期間を算出することができるわけです。

  •  4倍=2倍 × 2倍
  •  6倍=2倍 × 3倍
  •  8倍=2倍 × 2倍 × 2倍
  •  9倍=3倍 × 3倍
  • 12倍=2倍 × 2倍 × 3倍

例えば、運用利回り10%で資産を複利で6倍にする期間を求めたいとしましょう。

6=2×3であることから、次のように分解して考えます。

2倍: 72÷10= 7.2年 (72の法則)

3倍:115÷10=11.5年(115の法則)

そして、両者を足し合わせた18.7年(=7.2+11.5)という形で計算できます。

このように、2倍と3倍の組み合わせでパターンを多く作れますので、いろいろトライしてみるのも面白いのかもしれません。

最後に

今回、資産運用を考えるにあたり便利なツールである「72の法則」と「115の法則」をご紹介しました。

 【72の法則】 72 ÷ 利回り(%)= 資産が2倍になる期間 (年) ※近似値

【115の法則】115 ÷ 利回り(%)= 資産が3倍になる期間 (年) ※近似値

この法則を用いれば、金融商品や目的に合わせて簡易的にお金の増やし方をイメージすることができる点で有用かと思います。

特に、私のように長期投資をベースにしているのであれば、覚えておいて損はないでしょう。

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